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カウンターが回りすぎていてびっくりしましたww
たぶん、エラーの関係なんでしょうね。
どこかにさらされてたわけじゃない……ですよね??
なんかふと思いついてSSの冒頭だけ書いてみました。
栄セン前提の栄シンです。
暗めです。
逆Verもいいかなと思ったんですけど、どうしよう……。
まぁ、ひとまずの結論:栄シンは大変おいしい(^q^)
たぶん、エラーの関係なんでしょうね。
どこかにさらされてたわけじゃない……ですよね??
なんかふと思いついてSSの冒頭だけ書いてみました。
栄セン前提の栄シンです。
暗めです。
逆Verもいいかなと思ったんですけど、どうしよう……。
まぁ、ひとまずの結論:栄シンは大変おいしい(^q^)
たとえば、全てがリセットされたら、全部元に戻れるのだろうか。
「なぁ栄一、二十八日の土曜日、お前もこっちに来るよな? 姉貴に手土産でも見繕うから、時間までちょいと付き合えよ」
シンからの電話を受けながら、栄一はぼんやりとそんなことを考えていた。
電話越しに聞こえる、ハキハキとした友人の声。それを聞くのは、一体何年ぶりになるのだろうか。
「……お前、知らないのか」
たとえばこのまま栄一が、時を進めずに、違う方向に針をずらしてやったら。
「センはその日帰ってこれなくなったって、連絡がきたぞ」
とっさに思いついた嘘を並べると、「え~!」という声が帰ってくる。勘のいいシンのことだから、すぐに見破られるんじゃないかとどきどきしながら、次の言葉を待つ。
「姉貴、栄一にだけ連絡したのかよ……弟より恋人か、ちぇ」
その声色に妙な演技臭さは含まれていなかったので、栄一はほっと胸をなでおろす。慣れないことをした手のひらは、緊張感で汗がにじんでいた。
「そう言うなよ、センだって働き始めて忙しいんだろ」
声の震えを抑えながら、言葉を搾り出す。矛盾が生じないよう、栄一は記憶の糸を必死でたどりながら言葉を選んでいた。
「ま、いーや」
栄一の心境など知りもせず(この場合むしろ気付いてくれない方がいいのだが)、シンはいつもの切り替えのよさでぱっと声を明るくする。
「どーせ栄一は暇なんだろ? どっか遊びに行こうぜ!」
「うん……そうだな、久しぶりに」
思わず呟いてしまい、栄一はしまったと思う。シンの中ではおそらく、栄一とは日を空けず会っていることになっているはずだ。
慌てて訂正するわけにもいかず、言葉に詰まっていると、受話器から小さな笑い声が聞こえてくる。
「先週も映画行ったばっかだろ。そんなに俺が恋しいのか~?」
「ああ」
栄一が呟くと、今度はシンの方がそれを予測していなかったようで、「はぁ?」という声が返ってくる。
「そーやって誰にでもデレデレしてると、姉貴に愛想尽かされるぜ」
やや口ごもった口調で、シンが珍しく照れていることが伺える。声だけでも分かるシンの百面相ぶりに、栄一の方も笑みがこぼれた。
「じゃあ土曜日、忘れんなよ!」
「当たり前だろ」
短い言葉を交わしあい、電話を切る。指がしめっているせいでボタンがうまく押せず、携帯電話が手のひらから滑り落ちていく。とっさに受け止めようとしたが、小刻みに震えた腕では到底間に合うはずもなかった。
携帯電話の角が床にぶつかり、電池パックのふたが軽快にはじかれる。床に落ちた本体の方が、栄一の足元まで転がってきた。
電池パックの方は部屋の隅っこの方に飛んでいってしまった。栄一は携帯電話の本体をまたいで、電池パックを拾い上げる。
そこは丁度簡易的な仏壇の前で。まるで、栄一たちの話を全て聴いていたのではないかという風に思わせる。
「これであいつが元に戻るなら、お前は許してくれるか?」
棚に飾られている写真に触れて、栄一は顔を伏せた。写真の中の女性は、昔のままの笑顔で栄一を見つめていて、とても目を合わせることができなかった。
全てを壊したのは栄一だ。いまさら許されるとは思っていない。
それでも、痛々しく壊れてしまった彼を見続けるのはつらすぎて。
――たとえば、全てがリセットされたら、全部元に戻れるのだろうか。
頭の中でそう繰り返した後、栄一はそっと写真を伏せた。リセットボタンを押すように。
ゆっくり立ち上がると、壁にはカレンダーが貼られていた。二十八日、と約束した日をなぞると、そこは平日の色になっている。
二十八日が土曜日だったのは、写真の中の愛しい人が亡くなった――シンの姉が事故死した、二年前のことだった。
FIN.
「なぁ栄一、二十八日の土曜日、お前もこっちに来るよな? 姉貴に手土産でも見繕うから、時間までちょいと付き合えよ」
シンからの電話を受けながら、栄一はぼんやりとそんなことを考えていた。
電話越しに聞こえる、ハキハキとした友人の声。それを聞くのは、一体何年ぶりになるのだろうか。
「……お前、知らないのか」
たとえばこのまま栄一が、時を進めずに、違う方向に針をずらしてやったら。
「センはその日帰ってこれなくなったって、連絡がきたぞ」
とっさに思いついた嘘を並べると、「え~!」という声が帰ってくる。勘のいいシンのことだから、すぐに見破られるんじゃないかとどきどきしながら、次の言葉を待つ。
「姉貴、栄一にだけ連絡したのかよ……弟より恋人か、ちぇ」
その声色に妙な演技臭さは含まれていなかったので、栄一はほっと胸をなでおろす。慣れないことをした手のひらは、緊張感で汗がにじんでいた。
「そう言うなよ、センだって働き始めて忙しいんだろ」
声の震えを抑えながら、言葉を搾り出す。矛盾が生じないよう、栄一は記憶の糸を必死でたどりながら言葉を選んでいた。
「ま、いーや」
栄一の心境など知りもせず(この場合むしろ気付いてくれない方がいいのだが)、シンはいつもの切り替えのよさでぱっと声を明るくする。
「どーせ栄一は暇なんだろ? どっか遊びに行こうぜ!」
「うん……そうだな、久しぶりに」
思わず呟いてしまい、栄一はしまったと思う。シンの中ではおそらく、栄一とは日を空けず会っていることになっているはずだ。
慌てて訂正するわけにもいかず、言葉に詰まっていると、受話器から小さな笑い声が聞こえてくる。
「先週も映画行ったばっかだろ。そんなに俺が恋しいのか~?」
「ああ」
栄一が呟くと、今度はシンの方がそれを予測していなかったようで、「はぁ?」という声が返ってくる。
「そーやって誰にでもデレデレしてると、姉貴に愛想尽かされるぜ」
やや口ごもった口調で、シンが珍しく照れていることが伺える。声だけでも分かるシンの百面相ぶりに、栄一の方も笑みがこぼれた。
「じゃあ土曜日、忘れんなよ!」
「当たり前だろ」
短い言葉を交わしあい、電話を切る。指がしめっているせいでボタンがうまく押せず、携帯電話が手のひらから滑り落ちていく。とっさに受け止めようとしたが、小刻みに震えた腕では到底間に合うはずもなかった。
携帯電話の角が床にぶつかり、電池パックのふたが軽快にはじかれる。床に落ちた本体の方が、栄一の足元まで転がってきた。
電池パックの方は部屋の隅っこの方に飛んでいってしまった。栄一は携帯電話の本体をまたいで、電池パックを拾い上げる。
そこは丁度簡易的な仏壇の前で。まるで、栄一たちの話を全て聴いていたのではないかという風に思わせる。
「これであいつが元に戻るなら、お前は許してくれるか?」
棚に飾られている写真に触れて、栄一は顔を伏せた。写真の中の女性は、昔のままの笑顔で栄一を見つめていて、とても目を合わせることができなかった。
全てを壊したのは栄一だ。いまさら許されるとは思っていない。
それでも、痛々しく壊れてしまった彼を見続けるのはつらすぎて。
――たとえば、全てがリセットされたら、全部元に戻れるのだろうか。
頭の中でそう繰り返した後、栄一はそっと写真を伏せた。リセットボタンを押すように。
ゆっくり立ち上がると、壁にはカレンダーが貼られていた。二十八日、と約束した日をなぞると、そこは平日の色になっている。
二十八日が土曜日だったのは、写真の中の愛しい人が亡くなった――シンの姉が事故死した、二年前のことだった。
FIN.
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